多摩川源流 雄大な河川として海に流れ込む多摩川。その多摩川も源流をさかのぼると最初の水の一滴がある。それを見たくて山梨県塩山市の笠取山まで登ってきた。
 沢が山の斜面を登り詰め水が枯れてなくなる場所のことを「水干(みずひ)」という。まさに多摩川の始まりの一滴を訪ねる旅である。
 都内から車で高速道路を使って2時間、青梅線終点の奥多摩駅を過ぎ、小河内ダムが見えてくる。さらに1時間半かけて、その奥多摩湖を左に見ながら上流に向かって登り口の作場平橋に到着。
 その時点で標高1310メートル、周囲は木々で覆われている。笠取山の頂上までは、そこから約3時間歩く。途中、透きとおった沢のせせらぎに心が癒される。
 途中の尾根で休憩、そこが富士川、荒川、多摩川の分水嶺(川の流れを分ける山の峰)である。見晴らしの良いその地点からそれぞれ水が流れ、川になって行くと思うと自然の雄大さを感じる。
水干標柱多摩川最初の一滴 そこから急斜面を登り、息を切らしてやっとの思いで標高1953メートルの笠取山の山頂に到着。周囲を見渡すとき爽快感でいっぱいであった。
 山頂から目標の水干まではそこからまだ先にある。しばらく険しい下り道を行くと、苔満ちた岩肌の小さな洞窟が見えてくる。何気なく近寄るとそれこそまさに多摩川の水干であった。
 注意深く静かに見ていると、一滴のしずくが時間をかけて膨らみやがて垂れ落ちる。そのしずくの一滴一滴が注がれ、やがて沢となり、大きな川の流れとなる。時間を忘れさせる自然の営み、雄大さ、深遠さに感動する。
 多摩川の源流を訪ね、自然と触れ合い感じたことは、水は自然の恵みであること。その有り難さを感じることができ、あらためてその環境も守っていかなければいけないと感じた。