日本の生活習慣の大切さを実感
 オーストラリアに移住して約2年。7歳になる息子が、学校でまたお弁当箱を紛失してきました。
 あまりにも頻繁になくしてくるので、原因を問い詰めてみると、息子曰く「昼休みは教室に鍵がかかって入れないから、そのまま外に置き忘れてしまう」とのこと。
 オーストラリアの小学校では、各自がお弁当を持参します。年間を通じてお天気が良く、雨が少ない土地柄もあってか、昼食は外で食べるのが通例です。
 ピクニックスタイル、というと、聞こえがいいかもしれませんが、昼食用の椅子があるわけでもなく、地べたに座るか、もしくは立ったまま、サンドイッチやパイなどを手で食べる、といったスタイルです。
 食事の時間は10分間、引き続き「昼遊び」の時間が45分間ありますが、子供たちにとってのメインイベントはもちろん「昼遊び」。遊ぶ時間を少しでも多く確保するため、一刻を争うかのように猛スピードでお弁当を食べ終え、校庭や遊具にすっ飛んで行くありさまです。
 なかには、少しでも早く遊びたいばかりに、食べながら遊びだしている子や、食べかけのサンドイッチを校庭に放り投げている子もいるではありませんか。もちろん、食後の歯磨きやうがいなどする子は、一人もいません。
 昼食後の校舎周辺は、教室に持ち帰り忘れたお弁当箱や水筒、果物やサンドイッチの切れ端、ビニール袋などが散乱しています。
 子供たちによる清掃時間はなく、後片付けは用務員さんの仕事です。毎日ものすごい数のお弁当箱や水筒が忘れ物として回収されています。
 放課後、息子のお弁当箱を探すために、「忘れ物箱」をあさりながら思うことは、日本の小学校で学んだ、基本的な生活習慣やマナーの大切さ。
 昼食時間といえば、きちんと手洗いをした後、クラスメートと一緒に給食の配膳をし、席をならべて「いただきます」、そして「ごちそうさま」。食後の片付け、歯磨き、そして、みんなで役割分担した清掃。日本で育った私にとっては、ごく当たり前に身についた生活習慣です。
 野外での昼食は開放感もあり、子供たちにとってはさぞかし楽しいことでしょう。「郷に入れば郷に従え」で、不満を訴えるつもりはありませんが、改めて、日本の小学校における生活習慣指導のありがたさ、素晴らしさを痛感する毎日です。